桜の見える丘(仮)
後ろに倒れそうになったのを、片腕で押さえてくれた。
「え、あっ…ありがとう。」
「いーえ、どういたしまして。」
ニコっと笑顔を見せてくれる。
うっ!
不覚にも、その笑顔にキュンとしてしまった…。
「それにしても…うわぁっ!って色気なさすぎっしょ!」
クククッと笑う斉藤君。
さっきの…さっきの笑顔はどこいったんだ!
「色気って!?いいじゃない。ほっといてー。」
なんか…斉藤君といると…気持ち楽かもしれない――――・・・
結局、放課後になってしまい…
嫌でもあいつが目に入る。
ディフェンスをさっとかわしていき、シュートを決める。
やっぱ…うまいなぁ。
はぁ…でも、本当に神谷が何を怒ってるのかわかんない。
考え事をしてると時間は止まることなく進んでいく。
はぁ…真っ暗じゃん。暗いのやだなぁ…
一人で門を出ようとした時―――・・・