愛乗りシンドバッド
身震いが体を襲っていた。

海岸沿いの国道を埋め尽くす
車と人々を見て
ルフの現実的な恐怖が
ぶり返してきたって
いうのもあるが、
それ以上に
『魔人』っていう
聞き慣れない言葉と
今になって
自分に身についた
わけのわからない能力に
鋭く背筋が凍りつく。

……なんだよ。
何が起きてんだよ。

ハル。

お前の考えてることは
どうも普通の人と違うようだ。

ゴクリと唾を飲みこんだ。

そして一方で、
あの海岸で1人俺を待つ
Eカップの女って
もしや自分のことを
言ったんじゃないだろうな?
と、冷静に下心を
膨らませる自分もいた。

到底Eには
見えないけどな……。
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