詩日記〈うたにっき〉

3月1日〔月〕

誰かが言っていた。

猫のように
自由に生きたい
と‥。


誰かが言っていた。

鳥のように
自由に空を
飛びたい
と‥。


人間からみれば
確かに
彼らはいつも自由。

人間のように
時間で縛られたりは
しない。


でも、
彼らは常に
怯えている。

自由と引き換えに
彼らは常に
『死』の中に
いた‥。


明日
死ぬかもしれない‥、

半日後‥数時間後には
もう すでに
死んでいるかも
しれない‥。

彼らの背後には
常に
『死』の影があった‥。


だからこそ、
彼らは今
この時を
懸命に生きようと
した‥。

彼らは 決して
自由に生きている
わけじゃない。

人間よりも
ずっと、
彼らの自由は
奪われていた…。




だって…
みんな気付いてる
でしょ?

道端に横たわる、
変わり果てた
彼らの姿を…
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