『天国』~heaven~
沈黙の長く感じる時間が過ぎ、エレベーターは13階で止まりドアが開いた。


矢崎は、エレベーターの【開】のボタンを押したまま、女が先に降りるのを待った。


「降りないんですか?」


女は黙ったまま動こうとしなかった。


仕方なく矢崎は、先に降りて廊下を数歩歩いた。


そして、女を乗せたままエレベーターのドアは閉まった…


矢崎は、そのまま歩いて行けばよかったのだ…


それを、こみ上げてくる違和感を抑えきれず、後ろを振り返ってしまった……

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