文系男子。

Andiamo!

[坂本]

作家先生って竹之内って言うんだ。

決断に苦しむ竹之内先生のグレイの眼鏡を見ながらぼんやりとそんな事を考える。



「……坂本に、任せる」



クビを言い渡された様に吐かれた言葉に、俺はオッケー、と呟いて、竹之内先生を押し退け、鍵に手をかけた。

「…先生っち、ベランダに避難梯子ある?」

「ああ、角部屋だからな」
「ソレって鍵かかってる?」
「かかってるが…鍵なら持ってる」


「じゃあ梯子のフタの鍵開けないでベランダに出て待ってて」


「わかっ…開けないで?!」


「そうそう。いーから。ほら、開けるぞ」

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