文系男子。


「何をーーーー」


自分の頭に銃口を押し当てた。


坂本を撃ちたくないし

自分の所為で坂本たちが引き裂かれるのは堪えられない。

「…竹之内?」

真朱の声がした。

「ごめんね、有希」

下の名前で呼ぶと、真朱は涙の溜まった目で首を振る。

「嫌、嫌、いや、…いや」

腕をキツく掴まれて、爪が食い込んで、少し痛い。

「止めてよ…生命」



坂本を見た。


「お前の勝ちだ」


坂本が、笑った。


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