文系男子。

[木月]

深く深く息を吸って、吐いた。
催涙ガスの所為で、気持ち悪くなってきた。

「……大丈夫か?」

坂本が言いながらスーツの裾で頭を拭う。

「あんたこそ」

「…血糊だっつの」

真朱と竹之内の繋がった手を見て、余計に息がつまった。

それに気づいた坂本にぐしゃぐしゃと頭を撫でられた。



「めんこいニャンコ助けよと 戦い挑んだ負けワンコ、ってか?」



松葉がにやっと笑う。
坂本が、ヤメろ、死ねだとか言って、ケリを入れる。
真朱と竹之内はきょとんとしている。
田原がクスクスと笑った。

ああ、元に戻ったのかな。
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