文系男子。
[木月]

最近真朱が上機嫌だ。

「…何かすんのかな」

谷内に聞くと、さあ、と首をかしげた。

「相変わらず田原は部活来ねえしよ………っと悪い」

誰かに肩がぶつかる。

「あ、すいません」

ぱっと見ると、名前は知らないが、隣のクラスのやつだった。
男なのに髪を伸ばしていて、女の子の様な顔立ちをしている。

「おーナカムラ、行くぞ」

「あーごめん、待ってよ」

ナカムラと呼ばれたやつは、俺にぺこりと頭を下げると、走って行った。

「…今の、マジで男?」

「あれがスカートに見える?」

俺らと同じスラックスを履いていた。
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