文系男子。

[竹之内]

嘘みたいに汗が流れる。

此処の所何となく図書館にも行き辛くて、ずっと部屋に篭って作業していた所為だ。

そういえば、昔から運動神経やらスポーツマンなどと言う単語とは無縁の生活を送って来た気がするぞ。
だが、そこそこ、人並に、運動はできる。…筈だ。

20人走らせれば、必ず1から20まで順位がつく。

俺が教わった高校の時の体育教師がよく言っていた。

俺は何時も真ん中だった。
いや、もしかしたら、中の下だったかも。

だから、文を書くのは1番になりたかった。

どうしたって良い。

何か胸を張って言える物が欲しかった。

人間は弱いんだ。
何か自分に都合の良い物を目の前にチラつかされたら、誰だって飛びつく。
それが弱っている時なら尚更だ。

雇われてたーーーいや、良い様に飼われてたってーーーーー俺は1番だった。昨日まで。


日本から見たら、小さい小さいケータイ小説の世界で、1番だった。

< 77 / 253 >

この作品をシェア

pagetop