Pinky
練習が中止になって
雷の中を急いで帰ってきた。


「ただいま~」



ピンキーは出窓にイスを置いていた。


「おかえり」
声は力なく


暗い部屋が雷で明るくなる。



「怖くなかったのか?」

俺はピンキーを抱きしめた。



「和人が早く見たくて
ここからずっと見てたの……
間に合わなかったら
って考えたら怖くて……」



「バカなこと言うなよ」

ピンキーを抱きしめる。


「私のこと…忘れないで…」


「忘れるわけない。」



「忘れて・・・・・」



「え?」



「神様の条件が残酷だって
おもったけど
よく考えたらそれはとても
優しい条件だったのかもしれない。」



< 215 / 231 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop