最後の天使
「先輩~!そこの服とってください!」
「え~…そんな引っ越す1日前に、片づけるっておかしいだろ…」
俺は
ぼやきながらも
言われた服を手渡した。
「明日にはあの家なんですよ~!金曜日週末の最後の力を振り絞って!」
山本は
うれしそうに
荷物を段ボールに詰めていた。
山本がいなくなると
また“1人”になるのか…
いや、
“独り”に
なるのか…
俺はタバコに火をつけて、
リビングの椅子に座った。
リビングの机に
たまりにたまったタバコの吸殻が
抜け殻のような俺を、
当たり前のようにいる灰皿が、
美紀の居ないことをずっと知らせていた。
電話もつながらない。
美紀?
どこにいるんだ…