最後の天使
「あたしの弱さも、先輩の弱さも、きっとあったんですよ。…あたし強くなりますから」
「俺も…強くなるよ」
俺がそういうと
山本が
そっと俺を後ろ向きにさせて
背中を押した。
「早く…行かなきゃ…あたしもすぐ新しいトコ行きます」
俺はもう
振り返ることもなく、
山本に背中を向けて
歩いた。
そして急いで
車に乗り、
美紀のもとへ行った。
俺が山本に犯してしまったこと…
それは
同情のかけらもない。
していたことは
山本の元彼と同じことだ。
それは…
背中の傷跡のように
山本の心の中で
消えない…
それでも俺は、
美紀を選んだ。
大切なものを見つけた
また、
強くなるために。