最後の天使
「癌なの。もうひどくって…でも、ココの病室きてからずっと楽なの」
「そっか、よかった」
俺は美紀の温かい手を
さすった。
「・・・・・・・治らないの?」
俺はいいずらかったことを
あえて直球で聞いた。
すると美紀は少し目を細めて俺を見た。
「やってみなきゃわかんない。貴方と2人だからやれる、やり遂げられる」
「…美紀」
美紀は俺の手を
力ない力で握り返した。
「頑張ろうな」
「ありがとう」
俺は美紀の頬を撫でた。
白くて
ふわふわした頬は
変わらなかった。
「美紀、もう遅いし寝ようか」
「うん…手、離さないでくれる?」
「当たり前だろ」
もう離さない。
この手も、
美紀、君も…