籠の鳥
まだらは落ち込まず、俺を真っ直ぐに見た。

「もしざくやが受け取らないというなら、僕は丸腰状態ですし、この剣を持っていていいですか?」

それを聞いて俺達は即座に反対した。

「いやいやっ、まだらはそんなもの持たなくったって大丈夫だよっ!」

「そうだ!お前には危ないし、何よりさや達がお前を守るさ!!」

「オジサンに任せなさい?」

「それに子供には戦えないさ?」

「剣、お持ちしましょうか?」

「「「お前はやめろ!!!」」」

フウの言い出しには俺とやつはとさやで全力で却下した。


「ここはやっぱり何も持ってないざくやが優先だろ?新しく買ってからまた考えればいい。さやはざくや以外背中に乗せる気はないからな」

「ってことで、はい♪」

まだらは俺に剣を差し出した。

「さやは相棒でしょう?そのさやが言ってるんですから絶対ですよ」

俺は嫌な顔をしながらも、まだらとさやの顔を見て渋々受け取った。

「いらなくなったら投げてもいいので」

「あ、いや………」

笑って話すまだらを皆が越して歩いていく。

俺はまだらの頭を乱暴に撫でて手を引っ張った。
「ありがとな」

フードを慌てて直すまだらは、静かに笑った。
< 115 / 193 >

この作品をシェア

pagetop