籠の鳥
その返答を聞いて俺は微笑むと、さやを走らせた。

しばらく陸を走り、勢いで空中を蹴り始める。

飛んでいる妖怪をさやはかじりつき、俺は剣で斬りつけた。

「凄い…!」

地面で見ているまだらはそう呟いた。

まだらから離れているからこそ、まだらには1匹も妖怪を近づけさせなかった。



そして一通り妖怪を片付けるとまだらの元に戻る。

「まだら、大丈夫だったか?」

「はい…」

唖然としているまだらを俺はまた撫でた。



すると急にさやは人間の姿に化ける。

そのすぐあとに森の方から人々が出てきた。



あのまんじゅう屋のおじさんが駆け寄ってくる。

「おお…これは…!あなたがやってくれたのですか!?ああ、ありがたや…」

「あんたら…隠れていたのか?」

「ええ、お陰で怪我人も死人もいません。なんとお礼をしたらいいものか……!!」

おじさんはまだらを見て目を丸くした。

「お、お前…!例の青年じゃねぇか!?やはりお前の仕業だったんだな!?」

指を指しながらおじさんは怪訝そうな面で怒鳴った。

しかし俺はそんなおじさんに剣を抜く。
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