籠の鳥
少女は攻撃をやめてストンッと着地した。

「幽霊って、信じる?」

少女の目が悲しく光った。

だがやつはさんはぶっきらぼうに答える。

「はぁ?自分が幽霊になって悲しいとでも言いたいわけ??」

「そうだよ」

「めでたいやつだね。だったら彼女も子供も、戻ってこないとおかしいじゃねぇか」

少女はクスッと声だけ笑って言った。

「お腹を裂かれた母は即死、その産まれてもいない子は行方不明だっけ」

「そうだ。産まれていればだいたいお前くらい……って、なんでお前が……」

少女は満足そうに笑った。

「大ヒントだよ。タイムリミットももうすぐなようだしね。クイズ大会も終盤」

少女はまた再び瓦礫と共に浮き上がる。

やつはさんは身体を押さえながら顔を上げた。

「ファイナルアンサー♪どうぞ」

途端に瓦礫が飛んできた。

槍が折れそうなほどしなる。



むしろ身体の方も悲鳴を上げてきた。

瓦礫を弾きながらも後退することしかできず、1歩1歩と後ずさりをしていく。
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