籠の鳥
マオは拳銃を取り出しカチッと鳴らす。

「愛しい人をそんな醜い姿にして、気が済んでいるのかい?」

「喧嘩腰だね、それ以上言うと頭吹っ飛ぶよ」

そう言っている直後から拳銃を向けて一発かました。

しかしそれはフォルコの隣を通って行った。

「狙わなかったのか?」

「なに言ってるの?警告だよ」

「そんなので俺が黙ると思うか?たかが愚かな人間に」

ムッとした表情のマオにフォルコは余計挑発した。

「"猫"…いい名前。一体"誰"の名前?」


バンッッ


強くまたフォルコに打った。

だが、次は狙ったはずなのにフォルコに当たった様子はなく、しかもフォルコ自身の姿がない。

「こっちの方が面白そうだ」

そして気がついた。

既に自分の横を通り過ぎた後だと。



フォルコは狐に戻って一直線にフウに向かっていった。

それに気付いてマオも振り返る。

「虎猫!」

呼ぶと同時にフォルコは襲いかかった。
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