籠の鳥
飛ぶように館を進んで行った。

「ざくや、おかしいよ。こんな館が広いわけないじゃん」

「術にハマってちゃ仕方ないだろ。進むしかない」

さやを説得して前進させた。

しかしさやにも疲れが見えている。


このまま進んでいくと戦闘力が下がる。


どうにかしないと思った時だった。



1つの部屋に入った時、急に後ろの扉が閉まった。

前方の扉も閉まる。



そして俺は見た。

前方の扉の奥に、まだらがいたのを。

ぐったりしたまだらのそばに怪しく笑う怪奇な女性がいた。



俺と目が合うなり、更に口元を緩め、そして扉は閉じきった。



「ざくや!!!」

さやが微かに後ずさりをした。

部屋のあちこちから妖怪が湧き出てきた。
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