籠の鳥
「待っててね、母さん」と立ち上がったまだらの姿を見て、俺は言葉を失った。

「なっ…………!」

ゆっくりこちらに歩いてくる。



痣があった右手は妖怪の手になり、大きな鋭い鍵爪を持っていた。

綺麗な青い瞳は、今では妖しい黄色に光っている。

「まだら……」

まだらの名前を呼びかけたとき、突然俺に襲いかかってきた。



鍵爪を剣で防いでまだらの動きを止めた。

「まだら!しっかりしろ…!ざくやだ!!」

しかし反応はなく、ずっと目を光らせて俺を見ていた。


操られているのか…?

……いや、そんなんじゃない。

まだらは自分の意志で動いてる。

"俺のことを忘れてる"んだ……!


「思い出せ!!まだら!!」

すると突然力が緩んだ。

そして連続して鍵爪が降ってくる。

俺は剣を強く持ち、それを防いだ。



そしてちゅうちょしている間に剣を弾き飛ばされた。
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