籠の鳥
音を立てて手の届かないところに落ちる。

「っ……!」

そしてとどめの追撃を食らおうとした時だった。



「俺は待ってるからな!」

強く怒鳴った。

それをきっかけにまだらの攻撃が俺の鼻先で止まる。

それは気にせず、俺はまだらを真っ直ぐ見て続けた。

「お前が帰ってくるまで、俺は待ってる。またお前と旅がしたいから!だから思い出せ!!まだら!!」

ピンッとまだらの中の何かが切れた。

そのまま後ずさりをして頭を抱え込む。

「…っ僕、は……ッ」

ドサッと地面に膝をついた。



既にさっきまでの気はない。

俺は近付いて、そっとまだらに触れた。



顔を上げたまだらと目が合って、涙目のまだらは俺に飛びついてきた。

俺もそんなまだらを受け止める。

「よかった……まだら」

「ありがとう、ざくやっ……僕、恐怖に打ち勝てた……」

「そうか…」と何回も頷いてまだらを抱き締めた。

まだらは戻ってきた。

さぁどうする?

妖怪姫!
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