籠の鳥
そう言ってざくやは僕を前に出した。

男にフードを剥がされ、僕は後ろにあるフードを掴んだ。

「へぇ、こいつが。名は?」

ざくやに背中をつつかれて下に目線を置きながら答える。

「まだらですっ」

「まだら、あらかわい。オジサンは猫(マオ)、外国からここの妖怪に惹かれてきちゃったの。宜しくね」

一定のトーンで喋ったマオは立ち上がってドアを開け放った。

「入って。少し話をしようか、まだら」

「その前に身なりをしっかりしろ、マオ」

「はいはい」

ざくやは僕を押して中に入った。


少し嫌な臭いがする…。

すると突然何かが僕の隣をすり抜ける。

僕達が気付かない間に近くのドアがバンッと強く閉まった。



後ろを見るとさやの姿がない。

「あらら、あれはさっちゃんだね。結構嫌われてるわ」

「仕方ないだろ。お前は不気味だ」

「痛いトコついちゃってまーぁ」

マオは僕達を1つの部屋に通した。



意外にきれいな白で構成されてる空間。
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