籠の鳥
「まだら、ごめん」

「えッ……!!!」

ざくやは僕の腕を短剣で斬りつけた。

僕は声を上げたが、ざくやは僕を放そうとしない。



ざくやの服を握りしめた。

「嘘…だろ…?」

ざくやの手にまで伝う僕の血に、ざくやは言葉を失った。

ただ疑うことしかできない。

見間違いとでもいいたいだろう。

「まーくんの血にはね、人間と妖怪の血が混ざってるんだよ」

その言葉を聞いて、僕は痛みと苦しみの中、顔を上げた。


僕の血に…黒い血が混ざってる…?


たまにドロッとした黒い血が混ざっていた。

僕はざくやの服を引っ張って顔を見上げる。

「なんで…っ?何が、おかしいの………?」

「は…?お前、まだ分からないのか?」

まだ閃かない顔をしていると、ざくやは僕の腕を掴んだまま自分の腕を斬った。



僕の顔にざくやの血がとぶ。

綺麗で純粋な真っ赤な血―。



僕は目を見開いた。
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