籠の鳥

覚悟

次に目が覚めた時には、体調は少し楽になっていた。



マオから聞くに、僕の中に入れられた薬は妖怪だけに効くものであり、人間には害を及ぼさないものらしい。

妖怪にはない人間の身体内の組織で処理できる薬だから、半分人間の血が混ざる僕は少しずつ浄化されていく。



辺りを見ると、ざくやはベットに突っ伏して、眠っているようだった。

横を向いていた僕は寝返りを打とうとしたが、背中に何かが当たる。

振り返るとさやが僕の隣に丸まって眠っていた。


狼姿のさや、初めてこんな近くでまじまじと見た…。


毛が思ったよりフワフワで、妖塊は少し不気味。

だけど寝顔はさやのままだった。



僕の右腕と、ざくやの左腕には同じ包帯が巻かれている


僕は…妖怪なのか‥。


やっと理解できて、僕は顔を隠した。



妖怪の感覚はない。

だけど妖怪。



すると部屋のドアが開いた。
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