籠の鳥
「楽にはなってきたようだね。これなら大丈夫そうだ」

「……ん、え?まだら…??」

ざくやはその会話をうっすら聞いていたらしく、顔を上げて僕を見た。



起き上がった僕に微笑む。

「よかった…………………まだらはまだらだからな」

僕を心配しているのか、そう言って僕の頭を撫でた。



そう言われて、僕もホッと肩を撫でおろした。

例え僕が何者であろうとざくやは変わらない。

それが凄く安心した。

「ざっくん、ブラコンはそこらへんにして、家直してくれ」

「……へーへー」

「へーは一回!」

「別にいいだろ。今行きますよ」

めんどくさそうな顔をしてざくやは立ち上がった。



その間にマオは部屋を出る。

「まだらはまだ寝てるか?」

「僕もう平気です。一緒に行きます」

「そうか?ならいいが…」

「や"あ"あ"あ"あ"あ"あ"ぁ"ぁぁぁぁ!!!!!」

部屋の外からさやの叫び声が聞こえ、俺たちは目を点にした。

「さや?」

何が起きたか分からないまま、取りあえず部屋の外を覗いた。
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