籠の鳥
「ざくやには言うな。」

「分かってますって」

僕の返答を聞いてさやは意を決した。

「さやは、もう1000年以上生きている」

「唐突ですね…」

「だからいつこの身体が消滅してもおかしくないんだ」


ああ…それがさっきの…


手で顔を隠すさやに僕は訊いた。

「それなのにどうしてそんなにざくやにこだわるんですか?さやの命がなくなりかけてるんですよ?」

「馬鹿野郎。ざくやの元から引退すればこの様だ、ここに終身までやっかいになるぞ」

「あぁ…それはそうですね‥」

「さっちゃん酷いこと言うね」とマオは後ろで呟いた。



さやは力を抜いて言う。

「それに、もしざくやに助けられてなかったら、さやは殺されてた」

「妖怪に?」

さやは首を振った。

「人間にだ」

僕は「え…」と言葉を漏らした。
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