籠の鳥
「嫌だ!今までざくやのこと全てに従ってきたけど、今回は聞けない!さやはっ、ざくやを守りたいの!ざくやの、役に立ちたいのっ!!あんな変態変人野郎なんて知らない!!!」

そう叫んでざくやに飛び込んだ。

「うわっ」とざくやはさやにのしかかられて後ろに倒れる。

「さやっ、離れろっっ」

強引にさやを引き離そうとしたが、ざくやの首に強く抱きついていてとれなかった。



そんなざくやは僕に助けを求める。

「まだら、手伝ってくれ。狼なのに何でこんな腕の力が強いんだこいつ…………ってわっ!!!?」

ざくやはまた声を上げた。

「ちょっ……まだらっ!!」

僕もざくやに飛びついていた。

屋根から落ちそうになり、ざくやが必死に支える。

「おまっ………何なんだよ!?」

僕のことは無理矢理引き剥がそうとはしなかった。

だけど僕から離れる気もない。



ざくや1人が焦る様子をフウを連れてマオが陰から見ていた。
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