籠の鳥
さやを見つめるマオの目は親のようだった。


マオ……


「お前…本当はさやのことを子供のように思っているんだな‥‥」

俺は弱々しく微笑みながらマオを見上げた。

マオも口角を上げる。

「そうだよ?さっちゃんは子供のような研究材料さ」

「………………(汗)」

苦笑い。


俺の微笑み返せ…!


「ん、なーに?その顔。あ!そうか苦しいのか!どついたりしてごめんよ」


………こいつ‥


それは心の中で毒ついた。



意外に村までは遠くて、村に着いたとき、俺は力尽くして村の入り口で膝をついてしまった。

「ざくやっ…」

「無理があった?まだ家を出て1日も経ってないよ」

俺は心の中にフクフクと湧き上がる怒りを感じた。

「…っるせぇよ」

苛々しながら立ち上がる。

まだらは心配そうに俺に手を伸ばした。

しかしそれを目で制す。

「‥大丈夫だ‥」
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