先生との恋☆Second・Story☆完結☆
と言いながらも
笑っているのがむかつくけど。
絡まっていた指は離れていった。触られていた手をギュッと握り締めて静かに息を吐いて、高橋を見る。
高橋は目だけであたしを見ていて。
それも、前髪がかかっているから見えにくい。
高橋も見にくいんじゃない?
その顔を見ながら少し考えて、聞いてみることにした。
「あの女の先生……アキラくんの担当の人?」
あの女の先生高橋と仲良いの?
高橋のこと秋くんって呼んでたもんねぇ。
とは言えず、遠回しに聞いてみる。
「あぁ、須藤先生?」
聞かれても。
名前で言われても、知らないから分からないけど。
多分そうでしょ。
「あの先生は小児の方を主に極めていて。今はアキラくんの担当をしてますよ」
小児、ねぇ……。
「女の先生なんていたんだね」
「岡本さんは見たこと無いと思いますよ。今年の4月に来たばかりですから」
あたしは去年退院して、それからもちょくちょく来てたけど会うことは無かったんだろう。
すれ違っていてもそれがどこの科の先生かなんて分かんないから気付かないだろうしね。
「僕もびっくりしたんですよ。まさか同じ病院になるとは」
「……前から知ってたの?」
今の口振り……前からその、須藤先生のことを知っていたような。