雪色の囁き ~淡雪よりも冷たいキス~


玄関まで出迎えると、ジンの後ろに愛梨ちゃんもいた。

相変わらず可愛いくて、同性ながら思わず見惚れてしまう。

今日はサーモンピンクのブラウスに白いフレアスカートという上品な服装だった。

対する私はTシャツにデニムのスカートというカジュアルな格好。


とりあえず適当な部屋へ二人を案内し、私はその隣の部屋へ入る。

奥にはピアノが置いてあった。

兄は用事ができて到着が遅くなるらしかったから、私はその隙にジンをメールで呼び出すことにした。

ピアノの前に座り、メールを打つ。


数分後、扉のガラス窓に人影が映り、一瞬そのシルエットが響に見えてドキリとする。

扉を開け入ってきたのはジンで。
顔が似ているわけではないのに、背格好や雰囲気が似ているせいか見間違えた。


「――彼氏と別れたって?」


ジンは普段どおりの落ち着いた声音で無表情に聞いてくる。


「うん……。やっとね」

「別れて良かったと俺は思う。……紗矢花は辛いだろうけど」

「本当? ホントにそう思ってくれる?」


決別の道を選んだことに不安になり始めていた私は、彼の言葉に救われる。


「お前には、もっと合う男がいる気がするから」

ジンは鋭く切れ上がった眼元を緩ませた。


「……そうなのかな」
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