雪色の囁き ~淡雪よりも冷たいキス~
②甘い薫り
地下鉄の駅を出ると視界が真っ白だった。
大粒の雪が空から降りてきて、道を覆っている。
まだ夕方の4時だというのに薄暗い。
「寒い……」
白い息を吐く紗矢花はスカートの下から素足が覗いていて、見るからに寒そうだ。
一応ブーツを履いているけれど膝が隠れていない。
「遼、さっきの話の続き――、きゃっ」
可愛い悲鳴が聞こえたと思ったら、紗矢花はすぐ後ろで雪の上に座り込んでいた。
足を滑らせて転んでしまったらしい。膝が粉雪にまみれている。
「大丈夫?」
紗矢花は雪を払いつつ、頬を膨らませ恨めしそうに見上げてくる。
「もう、転ぶ前にちゃんと助けてよー」
「無茶言わないでくれる? そこまで反射神経よくないし」
苦笑しながら差し伸べた手に、遠慮なくつかまった彼女は歯を見せて笑った。
「遼の手、温かい」
子どもみたいに無邪気に、冷え切った左右の手のひらで俺の手を包む。
小さくて柔らかい感触に軽く動揺した俺は、そのまま彼女の手を引き、前へ向き直った。
「けど、俺が転んだら紗矢花も道連れだよ」
「遼は転んじゃだめ」
紗矢花はクスクス笑いながら細い指をしっかりと絡め、今度は足を取られないよう慎重に歩く。
大粒の雪が空から降りてきて、道を覆っている。
まだ夕方の4時だというのに薄暗い。
「寒い……」
白い息を吐く紗矢花はスカートの下から素足が覗いていて、見るからに寒そうだ。
一応ブーツを履いているけれど膝が隠れていない。
「遼、さっきの話の続き――、きゃっ」
可愛い悲鳴が聞こえたと思ったら、紗矢花はすぐ後ろで雪の上に座り込んでいた。
足を滑らせて転んでしまったらしい。膝が粉雪にまみれている。
「大丈夫?」
紗矢花は雪を払いつつ、頬を膨らませ恨めしそうに見上げてくる。
「もう、転ぶ前にちゃんと助けてよー」
「無茶言わないでくれる? そこまで反射神経よくないし」
苦笑しながら差し伸べた手に、遠慮なくつかまった彼女は歯を見せて笑った。
「遼の手、温かい」
子どもみたいに無邪気に、冷え切った左右の手のひらで俺の手を包む。
小さくて柔らかい感触に軽く動揺した俺は、そのまま彼女の手を引き、前へ向き直った。
「けど、俺が転んだら紗矢花も道連れだよ」
「遼は転んじゃだめ」
紗矢花はクスクス笑いながら細い指をしっかりと絡め、今度は足を取られないよう慎重に歩く。