☆彡Night and day『廼斗』☆彡〜悩んでナイト〜
 世良はそう言っていそいそとデジカメを引っ張り出してきた。


「随分凄いですね。新しいデジカメが人数分有る」


「いや、1台多いよお」


「1台は先生のだ。まあ壊れた時のスペアを兼ねて……だな」


 バツが悪そうにコソコソと自分用のカメラをしまいながら世良は続けた。


「とにかくこれで青春の1ページを切り取ってきて欲しい。それを元に作品を描いて貰う」


「なるほど。現実世界の一片を切り取るセンスとそれを作品に昇華させる感性を競うわけですね?」


「なんだかあ、面白そうだねえ。部員達に召集掛けよう」


 潮はそう言うと、のんびり美術準備室を出て行った。


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