愛ガ降る



帰りの車の中では、疲れからか…薬の副作用なのか、急に眠くなりそのまま寝てしまった。



お母さんに起こされ気がつくと、いつの間にか自宅に着いていた。



隣をふと見ると、今日ずっとそばにいてくれた大概くんは、すでに居なくなっていた。



話しを聞くと、お父さんはちゃんと大概くんの事を自宅まで送っていってくれ、その時、大概くんは車を降りる際に、あたしを起こしては悪いと、声をかけずに帰ったとの事だった。



大概くんの気遣いらしいが、一緒にいた時間が長かった分、ちゃんとした別れもできず、何だか少し切なくなった。



家に帰ると、早速今日撮った写真をプリントした。



初めて撮った、大概くんとの写真はあたしの宝物となり、また一つ…大切な物が増えた。



写真の中の大概くんにはいつでも会える。…その思いが、あたしに絶大な安心感を感じさせてくれた。



< 183 / 219 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop