さよなら異邦人
「わざっとじゃないよ。あれは不可抗力ってもんだ」

「不可抗力だろうが何だろうが、見た事には変わりないだろう。で、いい身体してたか?」

「変態、リュウノスケいい加減にしなよ」

「俺が知りたいのはだな、お前は姉と妹とどっちが好みかって事なんだ。さあ、どっちなんだ?」

「あのさあ、まだ会って一日しか経っていないんだよ。そういう感情が湧くと思う?」

「俺なら三十分で答えが出るぞ」

一目ぼれの天才と自負しているリュウノスケなら、確かに三十分もあれば答えは出せるだろう。

いや、僕の知る限りでは、出会って十分後にプロポーズした現場を見ているから、三十分は長い方だ。

「前から思っていたんだが、お前は歳の割には晩生だ。男が一人前になるには、沢山女の子を好きにならなきゃいけない」

「無理して女の子と付き合いたいとは思わないんだけど」

「お前、まさか……」

「何?」

「そっちの方か?それならそれで、俺も親として覚悟しなきゃならない……」

「また勘違いしてる。僕はいたってノーマルだからね」

「ほんとだな?美少年が好みとかって事はないんだな?」

「頭痛くなってきた……」

それ以上、リュウノスケの戯言に付き合っていられなかったところに、丁度いいタイミングでアニータが風呂から出て来た。

僕は急いで浴室へ向った。





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