no drug no future
19章 世界は廻る
それから私たちの夏からはレイブにクラブ三昧だった。

本当にそこしか逃げ場が無いように依存した。

バイトも少し休みがちになり遊びほうけた。


癒真くんのバンドはアガリ調子だったのに急に解散が決まった。

それはひどい裏切りに近かった。

簡単に説明すると自分たちより売れているバンドマンからの誘いに乗り、ドラムとボーカルが引き抜かれた。

なんの躊躇も無くそいつらはいってしまった。

ビジュアル系ならよくある話。

癒真くんは誰よりバンドのメンバーの絆を大切にしていた。

バンドだけの上辺の関係じゃ絶対演奏にも影響が出て崩れる。

そう信じていた・・・

だからバンド以外でのコミニュケーションも大事にしていた。

夏場になれば自分の実家に招待してバンド合宿を計画したりライブ後には打ち上げをなるべくして反省会をお酒の場を借りて設け、言いたい事をぶつけ合ったり。

仲良くなる大切さを皆に知ってほしくて・・・。

でもそれは間違っていたんだって。

ビジュアル系はメンバーの絆なんかより、一人でも蹴落として知名度を上げることが大切なんだって。


たとえそれがメンバーでも敵らしい。


< 131 / 186 >

この作品をシェア

pagetop