no drug no future
7章 変化と衝動
9月になった。

気がついたら私は『Ring』のみんなといても、癒真くんの姿ばかり目で追っていた。

なんでもないことでも嬉しかった。

何でもない言葉でも敏感になっていた。

たとえば電車に乗って癒真くんが隣に座ったリ・・・

他の人がトイレにいって二人っきりの時間が数秒あったり・・・

キャバでも源氏名も癒真くんのバンド名に無理矢理変えてもらった。

本来名前を変えることは許されにくいことなんだけどね。

自分でも驚くほど彼に落ちていく。

告白ができない弱い自分が焦れったく、一緒にいると辛いと感じるときもあった。
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