=キング of ビースト=3



そう言って社長室を出る。


早足で廊下を歩く。


だだ、早く会いたい、とーー…

そう思いながら歩く廊下は長くて長くて仕方がない。


エレベーターに乗って1階のボタンを押す。

ジッと待っておくのが無駄に嫌で、気持ちばかりが焦る。


早くーーー…


早くーーーー…


早く、夜琉に会いたいーー…



たった数時間会ってなかっただけなのにこんなにも会いたくなるのは、きっと安心したいから…。


この数時間は衝撃的な事実ばかり知ってしまって


…ー心がついていけない。


だから、落ち着かせて欲しいー…。


夜琉を見て、安心したい。



そう思ってフロントに出ると、私の愛してやまない人が壁に背を預け、足元に視線を向けていた。


片手にはタバコを持っており、珍しいなと思う程、人の…私の気配に気づかない。


いつもだったら絶対に気づいている距離なのに…。


< 126 / 331 >

この作品をシェア

pagetop