=キング of ビースト=3




「親父わさ、今わ社長なんてしてるけど昔わ最低な奴だったんだよ。」


「…。」


昔の事を思い出しながら話しているのか、眉間にシワがより辛そうな顔をしている璃玖を見る。


いつもニコニコしている璃玖なんて全く居なかった。



「親父わ昔から容姿わ完璧だったし頭もよくて才能もあった。だから、勿論女からわモテた。」


「…。」


「…親父も女にちやほやされて調子に乗ってたんだ。」


「…。」


「…。俺の母親と結婚してからもそうだった。自分で立てた会社わ成功して、さらに女わよって来るようになった。」


「…ー結婚してるのに、親父にとって寄ってくる女と寝るのなんて当たり前だった。」


「俺の母親だって親父の浮気に最初のうちわ許してた。


泣きながら母親わいつだって親父を許してた…。


『好きだから、許すから、私を見捨てないで…っ』


ってー…。」



あまりに悲しそうに話す璃玖わ瞳に薄く雫が張っていた。



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