=キング of ビースト=3
「璃玖よりも、璃人さんを見ているからよ。」
「…っ。」
「璃玖わ、璃人さん自身をよく見てない。ただの保護者程度にしか見てないから…分からない。」
「~~っ!!!!!」
「璃玖だって本当わ分かってるんじゃない?」
「…。」
「頭のいい璃玖だったら分かってる。ーー…急に女装する事がどれだけ辛い事か…。」
「!!!」
「他人の目だって、自分の意志だってあったはずだったのに…全てを捨てて女装したのわ
…ーーーー璃玖の為でしょう?」
「なんで…」
「幼い璃玖が『お父さんわ要らない、お母さんがいい』って言ったから…
璃人さんわ、璃玖に必要とされたかったんでしょう?」
「なんで…っ!!」
「璃玖に必要とされたかったから、嫌な事全てを我慢して『璃玖のお母さん』になったのーー…」
「なんで俺わ…親父を見てあげなかったんだろう…っ?」
自虐的に笑った璃玖わ額に手を置き、宙を見上げた。