青春スパイ大作戦【短編集】
滑りやすい石に足を乗せ、ジャンプ。
両手で壁に手をかけ、そのままの勢いで上半身を壁の上に引き上げる。

禁断の女風呂がオレの眼前に、その姿を晒す時がきた。

そこには、生まれたままの女たちが。まさに楽園がそこに、
あるはずが、本当に湯けむりで何も見えねぇ。

しかし、そんなことは想定内だ。

 見れぬなら、見れるまで待とう 女体盛り。

そのままの体勢で湯けむりが晴れる瞬間を待つことにする。


しかし、無理な体勢をしているためか、しばらくしてオレの肩から腕辺りが、激しく震えだした。

だが、オレはそんなことは全く気にしない。


スパイには、いや、男には、どんな犠牲を払ってもやり遂げなければならない時がある。


 そ れ が 、 今 だ 。

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