青春スパイ大作戦【短編集】

「男は、ピンチの時こそフテブテしく笑うもんだぜ?」

そんなハードボイルド小説の言葉を思い出した。

ちくしょー!でも、オレ、全然笑えないよー!
なんなら涙が出ちゃう。だって、おっぱい見たいんだもん!!


18歳のそんな強い祈りが通じたのか、その時奇跡が起こった。


「ワー!すごーい!ホラ、湯けむりとか!」「ほんとだー!すごい雰囲気あるねー!」


待ちわびた天使の声。


女湯から、明らかに若い女性のキャイキャイした声が聞こえてきたのである。


男たち全員の、心と股間が盛り上がった瞬間であった。


さらに、さっき入って来た男は、カラスの行水かって勢いで身体と頭を洗い終わり湯船に入ってきた。

この調子なら、こいつは、すぐに出るに違いない。


 ついに時代が!

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