青春スパイ大作戦【短編集】

フゥ、久しぶりの戦いだ。武者震いが止まらんぜ。

と、これから行われる戦いに胸躍らされたオレだが、

「オレ、もう上がるわー」

真面目なキャプテンは、さっさと風呂を上がって行ってしまった。

あ、キャプテン。お待ちになって。今、オレとアイツの男同しの戦いが、、、

「あ、オレもー。もうのぼせてもたわー」

キャプテンに続いて続々と風呂場を後にする男たち。
そして、最後に残っていた、変態組の同士達も、
「もう、限界か・・・」
そう言い残すと、オレを残して脱衣所へ。

そして、風呂場には、一人腕を組むオレと、未だに頭を洗い続ける男。

女湯からは、さっきよりもたくさんの天使達の声が響いてくる。

目の前に楽園があるのに。。。なぜ?

男が、頭を洗いながら、コチラをチラっと見た気がした。

オレは、その視線に目を合わすことな、立ち上がると仲間達の後に続く。
その時のオレの背中は、泣いていたはずだ。

そうして、俺たちの野望は、たった一人の男に叩き潰された。

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