青春スパイ大作戦【短編集】
指令9:深夜の女子高に潜入せよ
大学生になった。
オレは、彼女もおらず、大学では友達もできず、ついには、学校にはほとんど行かず、半ニートと化していた。

いや、これもスパイだからだぜ?
わざと自分を孤独なポジションに置いてるんだぜ?

強がってみたが、その頃には、周りの友達はリアルに彼女を作って、色んな体験、あんなことやこんなこと、オイオイ、そんなコトをそんなトコでー!をどんどんこなしていってた。

なので、そいつらの前での、俺の知識は、
『薄さ0.5mm。でも、漏れない!』
高性能ナプキンの如く薄っぺらいものになってた。

昔はオレのエロ話を笑って聞いてくれていた友も、

「オレ、彼女が誰かとメールしてると、すごい気になるんよなー。でも、それ彼女に聞いても教えてくれへんねん。これって、浮気してんのかな?」

なんて、恋の相談をするようになる。

「ヲイヲイ、彼女おるのに、何そんな小さいことで悩んでんねん!そんなことより、前みたいに、おっぱいについて熱く語ろうぜ!」

と、言うも、相手は、

「ええな。お前は気楽で」

そだね。
確かに、オレはエロビデオを借りるのに、どれにしようか。ってことくらいしか悩まないからね。
それで、2時間悩んだ挙句、前借りたことあるのを借りてしまい、「350円損したー!」
って、騒いでるくらいだからね。

彼女が浮気相手とメールしてるかって、問題の前ではちっぽけだね。
いや、俺という人間がちっぽけなのか?ハハハ、アレ?なんだろ?悲しくないのに、涙が出ちゃうよ?


オレは、負け犬街道を突っ走っていた。

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