好きとは言えなくて…



いつまでそうしていたのだろう。


斉藤君は私が泣き止むまで背中をポンポンと優しく叩いてくれた。


そして私が泣き止むのを確認すると、


「最上さん。僕と別れて下さい」


斉藤君からの別れの言葉だった。


斉藤君の別れの言葉に私は素直に頷いた。


「あーぁ。こんないい男そうそういないと思うよ?」


「そうだね。だから斉藤君にはもっといい人見つかるよ」


「最上さんに言われなくても見つけるよ。
今までありがとう」


握手を求められて私は手を出して斉藤君と握手を交わす。



「こちらこそありがとう」


私と斉藤君の短い交際期間は終わりを向かえた。


私は斉藤君に素敵な人が現れることを願った。



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