僕は君の罪になりたい
放課後。


早めに仕事が片付き、何処からかまだ部活をしている声が響く校舎から出ると


校門の前で何人かの男子生徒が揉めていた。




見るからに柄の悪そうな我が校の生徒と

違う高校の制服を着崩し、バイクに跨がってパイプを持った生徒。



我が校の生徒達は殴られたのか血を流している。





「何してるの!」




どう見ても喧嘩をしている生徒達の仲裁に入った。





「あぁ?何だ、お前。女は引っ込んでろ」


「女は女でも私は教師です。見過ごすワケにいかないでしょ!?」




目の前に立つ私を下から舐めるように見た他校の生徒達は

妖しい笑みを浮かべて笑い出した。





「センセー!俺に保健体育の授業教えてくださーい」

「ぎゃははは!センセーの体で〜ってな」




何を言ってんのよ、まだ高校生の子供が。



大人をなめんじゃないわよ。






「残念だけど私、英語教師だから保健体育は無理よ。それより他校の生徒が用もないのに他の高校に入っちゃいけないの。早く帰りなさい」


「威勢がいいのはいいけどさぁ、アンタみたいな女教師に何が出来るんだ?」




上から見下ろしてくる生徒を下から睨み返した。




こんな子供相手に誰が負けるもんですか。




「桐谷、俺らの事はいいから逃げろ。マジ何かされるぞ、お前」


「生徒を見捨てるなんて出来ないわ。あなた達こそ逃げなさい!!」




目の前にいる他校の生徒を力一杯突き飛ばした。




「ほら、早く逃げ……っきゃ!!」




突き飛ばした生徒に足を蹴られ、地面に倒れた。




「そんなに構って欲しいんだ、センセー。ならお望みの通り遊んでやるよ」



「ちょっと…やめっ…」




そのまま羽交い締めにされ、身動きが取れずにいると


私を組み敷いていた生徒がいきなり目の前から消えた。





「はい、ストーップ」


「…え?」
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