僕は君の罪になりたい
「みーちゃんもお疲れなんだね。よし、肩揉んであげるから教材室行こう」


「ちょうど教材室に寄るつもりだったけど、肩は凝ってないからついてこないで」




絶対肩以外の所を揉むでしょ、アナタは。






「もーつれないなぁ、みーちゃんは。『手、繋いでくれる?』とかぁ『ずっといる?』とか言って甘えてきたクセに」


「…記憶にない」




あれは熱があったからで


正常に戻った今はそんな事思わないもん。






「帰らないでとか抱いてとも言ったのに?…まさか、みーちゃん…やり逃げ?」


「やり逃げはアンタだ!」




てか、そんな事言ってないし!!






ニコニコしている成宮くんに呆れながら、教材室に向かった。




「ついてこないでって言ったでしょ?」


「俺が何処に行こうが俺の勝手でしょ」


「…そうね」





相手にしないで片付けしよう。




えっと、夏休みの補習で使うプリントと教科書は…っと。




「みーちゃんは夏休み何する予定?」


「仕事よ。学生と違うんだから丸々1ヶ月休みなワケじゃないの」




本当、学生って羨ましい。


あの頃は早く大人になりたいと思ってたけど


実際大人になってみると、学生時代が人生で1番楽しいんだろうなって常々思う。
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