僕は君の罪になりたい
「じゃあ貴重な休みの日、俺とどっか行こう」


「嫌よ。休みは友達と出掛けるもん。旅行するってのもいいなぁ」




久しぶりに友達と飲みながら朝まで語るのもいいな。


語るというより、愚痴り大会になりそうだけど。




一泊で旅行も素敵かも。


ゆっくり温泉に浸かって、美味しい料理食べて…。





早速帰ったら高校時代の友達にメールしてみよう。






「旅行?男もいるの?」


「さぁね。いるかもしれないし、いないかもしれないし」




成宮くんには関係ないもんね。





「みーちゃんじゃいるワケないか」


「アナタそれ失礼よ。私だってねぇ彼氏の1人や2人いた事あるんだから!!」




と、いうのは嘘だけど。




付き合った事は一度しかない。





そりゃ恋は沢山してきたけど

いつも中途半端で終わってた。




告白する勇気もなく

影から見つめてるだけで



勝手に泣いて、傷付いて

少しのことで喜んで。





今だったらそんな感情を面倒くさく感じそう。







「彼氏いたの?」


「そりゃ22年も生きてりゃね」




あの頃は、恋愛が人生の主体って感じだったけど


今はまさかそんな事出来ない。




1に仕事、2に休暇。



それで精一杯だから恋愛なんかしている暇なんてないわ。



大人ってつまらないのね。
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