僕は君の罪になりたい
「成宮くん?」


「こっち。…傷のせいで熱出たかも…」




カーテンで仕切られたベッドから掠れた声が聞こえた。


熱?




「そんなに傷深かったの?大丈夫?」



目元を腕で隠している成宮くんの顔を覗くと、口角が妖艶に上がった。



気付くと私の体はベッドに沈んでいた。




「え!?…ちょっと!!何で押し倒してるのよ!?」


「みーちゃんが可愛いから」


「は…はぁ!?大人をからかわないで」




何よ、いきなり。


私になんかまるっきり興味がなかったくせに。





「知ってる?誰かを好きになるのは、いつも突然なんだよ」


「…好き?」


「そっ、好き」


「誰が誰を?」




生徒は生徒。

教師は教師。



恋愛なんて御法度の関係。





そんな事言われなくても、絶対恋なんかする人はいないでしょ。



そう、思っていた。






「俺が、みーちゃんを」




そう言って、成宮くんは私にキスをした。
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