僕は君の罪になりたい
「成宮さん!ありがとうございましたぁ」

「やっぱつぇー!かっけーっス」




生徒達は成宮くんをキラキラした目で見つめている。



成宮さんって呼んでるけど、この子達3年生なんじゃ…。



成宮くんは2年生なのに

なんで“さん”付け?





「桐谷もありがとうな」

「ちゃんと先生を付けなさい」

「はいはい、桐谷美羽先生様」




守れはしなかったけど、守りたいって気持ちはちゃんと伝わっていたんだ。



やっぱり頑張っていればいつか…


成宮くんにも伝わるのかな?




「みーちゃん」


「ん?なぁに?」


「保健室連れてって」




プラプラと振っている成宮くんの手を見ると

血で真っ赤に染まっていた。





「わっ!凄い出血!!早く保健室行こう」




成宮くんの腕を引っ張って保健室に向かうと、誰もいなく静かだった。


保健医の先生、留守みたいね。




「消毒液とガーゼ用意するから、手洗って」


「はいよ」




道具、勝手に借りちゃってもいいよね。


保健医の先生いないんだから仕方ない。




「手洗ったぁ?…って、アレ?」



さっきまで流し台で手を洗っていたはずの成宮くんがいない。


え?
何処行った?
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