僕は君の罪になりたい
「ドリンクバー取ってくるね」




席を立った智子を見送ってから成宮くんに視線を移すと


成宮くんは何故かブスッとしていた。





「何よ、その膨れっ面は」


「…みーちゃんは他人に左右され過ぎ」




他人に…?



左右されてるのかな。





「人がどう思おうと、みーちゃんがしたいようにすればいいじゃん」


「何、それ。それじゃあまるで私が成宮くんを…」




好き、みたいじゃない。




何故だかその言葉は口に出来なかった。





「間違ってないんじゃないの?今、言えなかったこと」




…そうなのかな?



最近色々悩んでたのも

今、沈んでいく気持ちも



全部全部、成宮くんが好きだからなのかな?





「成宮くん…私っ…」


「お待たせ〜」




飲み物の入ったグラスを持って戻ってきた智子を見て、口をつぐんだ。





「美羽は何食べる?」


「…え?あぁ、えっとね…」




うわのそらでいると、智子にメニューを差し出され


慌ててそれを受け取った。





「スパグラにしようかな。成宮くんはどうする?」


「美羽、彼氏なのに“成宮くん”って呼んでるの?」




成宮くんにメニューを渡すと

智子に指摘された。





だって彼氏じゃないし。


生徒だし。
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