僕は君の罪になりたい
「照れてないで名前で呼んであげなよ〜。ねぇ、成宮くん」


「ですよね。彼氏(強調)を名字呼びは無いですよね。これだからツンデレちゃんは困りますよねぇ」




ジト〜とこちらを見てくる成宮くんと智子をメニューで制す。



人の気も知らないで好き勝手言いやがって〜!




「いつかねっ!」





それから散々騒いだ私達は智子と別れ、家までの道を歩いていた。





「明るい人だったね、智子さん」


「そうね。昔からテンション高くてお喋りで、一緒にいると楽しいんだよね」




高校を卒業してから会ってなかったけど


変わらないな、智子は。




って言っても私だって変わってないだもん、当たり前か。





「でも俺達、知らない人から見れば先生と生徒だなんて想われないんだね」


「それは成宮くんが老けてるからじゃない?」


「みーちゃんが童顔だからだろ」




そう言って私達は

どちらともなく笑った。





成宮くんといると楽しいな。


ずっと一緒にいたいな。





“生徒と恋愛なんて気持ち悪い”




でもそれは、ダメだよね。





「…ねぇ、成宮くん。やっぱりよくないよ」


「ん?何が」


「いくら他人からはそう見えなくても、私達は教師と生徒に変わりはない。だからもう、プライベートで私に会いに来ないで」




成宮くんは何も気にしてないから

私がハッキリさせないと、このままズルズルこの関係が続いてしまう。





「だからさぁ、他人の言う事なんか気にすんなって言ってんだろ」




ウンザリと言った表情を向ける成宮くん。
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